ニニギノミコト御陵墓周辺整備が完成  延岡市北川町の「西郷隆盛青空テーマ館」

延岡市が北川町俵野の西郷隆盛宿陣跡資料館周辺で整備を進めてきた「西郷隆盛青空テーマ館」が完成しました。周辺に点在する西南戦争ゆかりの地や、宿陣跡の裏手にあるニニギノミコト御陵参考地を一体的に整備し、面的な広がりを持つ〝青空テーマ館〞としてアピールしていこうというもの。その中核の一つとなる御陵参考地は冠木門や石畳、標柱、石柱、ニニギノミコト像などが出来上がり、1月20日にオープン式が開かれました。

今年のNHK大河ドラマ「西郷どん」効果で、宿陣跡資料館や御陵参考地への来場者が増加していることから、平成28年度から宿陣跡資料館のリニューアルなどを進めてきました。

青空テーマ館は、西郷隆盛との「出会い」「決断」「家族愛と別れ」という3つのドラマがあった唯一の場所として位置付けされています。

「出会い」は、皇室の先祖に当たる天孫・ニニギノミコトとの時空を超えた出会い。西郷は宿陣した児玉熊四郎邸の背後にニニギノミコトの御陵があり、政府軍がこの場所に大砲や銃弾を撃つことができないことを知っていたことから、この場所に一時的に身を委ねることで、自らの行いを振り返るための安息の時間を設けたものとされています。

「決断」は、児玉邸で行われた西南戦争最後の軍議と解散布告です。明治10年(1877)8月16日、和田越えの決戦に敗れた西郷は児玉邸に幹部を集めて最後の軍議を開き、全軍に対して解散布告令を出すとともに、重要書類や日本に1着しかなかった明治天皇から拝受した陸軍大将の軍服を焼却。翌17日に可愛岳突囲を決行することになります。

「家族愛と別れ」は、熊本との戦いで負傷し俵野の児玉惣四郎邸で療養していた西郷菊次郎を、鹿児島から義母のイトが看病に来ていたこと。さらに、可愛岳突囲を前に西郷隆盛が菊次郎に、政府軍の陸軍中将として延岡に来ていた弟の西郷従道に会って投降するように諭した場所であることなどに基づいています。

延岡市によると、大河ドラマ「西郷どん」の放映などを機に、宿陣跡資料館は平成28年度に3316人だった来館者が、平成29年度は12月末現在で8923人と激増しています。世界最大の観光情報サイト「トリップアドバイザー」の西郷隆盛ゆかりの施設ランキングでも2位となるなど、関心が高まっています。

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