980年の伝統を持つ田植え祭り「御田祭」が7月2日、3日の2日間、美郷町西郷田代の御田祭の里ふれあい広場などで開催され、好天も手伝って町内外から訪れた大勢の人でにぎわいました。
田代神社(1302年創建)の主祭神 彦火々出見命(ひこほほでみのみこと)の御神霊を上円野神社よりお迎えし、上の宮田から中の宮田への御神幸により行われる田植祭です。祭りは古来から世襲制の家柄が中心に祭事役(サルタヒコ・ミヨド・ウナリ・ノボリモチ)を務め、これに一般の参詣者も加わり、神人・牛馬が一体となり、神田の代かきから田植えを行い、参詣者の無病息災と豊作を祈願します。
古来の田楽神事がしのばれる珍しい民俗行事で、昭和63年には県の無形民俗文化財に指定されています。
初日の2日は歌謡祭や花火大会があり、お祭りムードを盛り上げました。3日の御田祭本番では、メーン会場の御田祭ふれあい広場にある約20アールの神田=しんでん=で牛馬入れや御輿(みこし)入れ、田植えなどが行われました。
牛馬入れは、乗り手がまたがった馬や装飾した牛が神田を駆け回って田んぼを代掻きするものです。神田(しんでん)の泥しぶきを浴びると無病息災が約束されるといわれています。町の青年代表が鞍のない裸馬に代わる代わるまたがり神田内を疾走すると、取り囲んだ参詣者らから盛大な拍手が起こりました。
御輿入れでは、田代小学校の生徒や町内の青年らが威勢のいい掛け声をあげながら神田内を回りました。
代掻きが終わって静けさが戻った神田では早乙女が田植えをしました。町内の中学生や婦人会、一般公募で集まった町外の女性たち120人がお揃いのかすりに笠を身につけ、催馬楽(さいばら)が歌われるなか、丁寧に苗を植えていきました。