延岡市の郷土料理「八杯汁(はちはいじる)」を延岡のご当地グルメとして発信しようと、市内の飲食転業者らが「八杯汁を楽しむ会」を結成しました。5月18日、出北のJAPANカレー亭に市内の女性団体の代表やマスコミ関係者らを集めて意見交換会が開かれました。
八杯汁は延岡藩内藤家の御家中料理で、かつてはお祝い事や法事などの際にどこの家庭でも作られていました。名前の由来は、8杯も食べてしまうぐらいおいしいからとか、だし汁の分量が8杯(だし6、醤油1、酒1)使うからとか、1丁の豆腐で8人分作れるからとか、諸説があります。全国に伝わっており、内藤藩の領地だった大分県由布市の郷土料理にもなっています。
近年、市内ではその存在すら知らない人が増えていることから、JAPANカレー亭の甲斐忠男さん(64)が自分の店でメニューとして提供を開始。広く市民に知ってもらい新しい看板料理として売り出そうと、昨年11月のエンジン01や市内のグルメイベントなどにも出品するなどの活動を続け、今年3月には「楽しむ会」を立ち上げました。
この日の会には、地元新聞社やコミュニティFM、女性団体の代表、友人、知人ら16人が出席。甲斐さんが、シイタケ、豆腐、ネギ、海苔をベースに、北浦産のイワシと山芋入りのあげみ、北方産山芋のととろ、延岡産の空飛ぶ新玉ネギをそれぞれトッピングした3種類の八杯汁を詩作し、参加者に試食してもらいました。
参加者からは「汁の中にそばを入れても美味しいのでは」「山芋のととろ入りは、味がまろやかになる」「八杯汁は精進料理で、とろみを出すためもともとは片栗粉ではなく川海苔を使っており、山の恵みを凝縮したご馳走だった」「インバウンドで訪れる外国人らに精進料理として食べてもらい広めるのもいいのでは」などの意見が出されました。