延岡の秋の風物詩、江戸時代から300年以上の伝統がある「水郷延岡鮎やな」が10月1日にオープンします。12月7日までの約2カ月間を期間に、株式会社枡元フードシステムズが運営する「鮎やな ささき」が食事棟を運営し、鮎料理を提供します。日本最大級の長さを誇る〝鮎やな〟架設は10月下旬ごろになる見通し。
簗(やな)漁は、西風が吹くと産卵のために川を下る鮎の習性を利用した伝統的漁法。杉丸太で組みあげた「うま」を川幅いっぱいに立て、竹で組んだ「立て簀(す)」を「うま」の前面に立てることで、川の流れをせき止め、中央部分に竹のスノコで造った「落て簀」に誘い込みます。簗漁は45日間の許可漁で、かつてはこの時期になると市内に何カ所も鮎やなが架かっていましたが、近年は水郷延岡鮎やな1カ所だけになっています。
オープンを前に9月30日にオープン式が行われ、市内の政財界や近隣の観光協会の代表ら約60人が出席し、神事の後、鏡割りでオープンを祝いました。
その中で、あいさつした延岡観光協会の盛武一則代表理事は、「残念ながら昨年はやなが流れた影響もあり、食事棟に来るお客さんも前年よりも減りました。今後さらなる努力を重ねて、もう一度やなを再生しながら、延々と続くやな架設と食事棟の営業を続けていきたい」と決意を述べました。
来賓祝辞では、初めてオープン式に参加した河野俊嗣県知事が「鮎やなは五ヶ瀬川の清流、豊かな自然、伝統な漁法、食文化が組み合わさった延岡の宝だなと感じています。ぜひ今年は天候にも恵まれて鮎やな、延岡がさらに盛り上がることを祈念します」と話せば、三浦久知市長も「鮎やなは300年続く延岡の文化であり、日本で最大規模と聞いています。この文化を次の百年につなげていきたい」と抱負を述べました。
鮎やな ささきでは、代表的な料理である鮎の塩焼き・味噌焼き・鮎セットメニューはもちろん、炭火焼やチキン南蛮、めひかり唐揚げといった延岡の名物料理や地酒なども充実しています。
営業時間、問い合わせ先は次の通り。
【鮎やな ささき】
<場所>宮崎県延岡市大貫町3丁目718番地地先(かわまち交流館)
<営業期間> 2025年10月1日(水)〜12月7日(日)
<営業時間> 平日 11:00〜14:30(14:00LO)、17:00〜21:00(20:30LO)
※金曜日夜と祝祭日前夜の閉店 21:30(21:00LO)
土 11:00〜21:30(21:00LO)
日・祝日 11:00〜21:00(20:30LO)
<お問い合わせ> ℡0982-20-0533または℡070-1340-8787