延岡市は、時を告げる鐘で知られる「城山の鐘」の新しい鐘守を、2月13日から公募します。16年間にわたり突き続けてきた7代目鐘守、矢島茂さん(80)と征子さん(78)夫妻が昨年末、病気のため引退したことに伴うもので、平日の週休2日制を導入するほか、通勤も認めるなど応募条件を緩和しています。首藤正治市長は「市が管理する公園で、人の手で時を告げる鐘は全国でもここだけ。非常に貴重な無形文化資源として末永く維持していきたい」と話しています。業務開始は4月中旬からの予定です。
募集する鐘守の業務は、城山公園天守台にある「城山の鐘」による毎日、1日6回(6・8・10・12・15・17時)の時報業務で、天守台付近の清掃、城山・鐘守の歴史に関する問い合わせ対応や、観光PRも含みます。
時報業務に加え、城山公園全体の管理業務(清掃・除草など)を同時に受託しても良いほか、時報業務のみの受託もできます。ただし、管理業務のみの受託はできません。
原則として夫婦、親子、兄弟などの2人体制で業務可能な人が対象。天守台にある鐘守宿舎を無料で利用でき、通勤での対応も可としています。休日は平日週休2日制で、お盆や正月にそれぞれ連続する5日間の休暇と、年間5日間の休暇日が取得できます。
委託金額は、時報業務が月額13万円(6月と12月は13万円加算)。公園管理業務は月額12万3700円で、両方受託すると月額25万3700円になります。
ただし、鐘守宿舎(無料)の居住に伴う光熱水費は自己負担となるほか、公園管理業務を受託する場合は自己負担で損害保険に加入するのが条件です。
3月13日(必着)まで公募申請書を市都市計画課に持参か郵送すること。公募申請書、公募に関する資料請求書など詳しい問い合わせは市都市計画課(電話0982・22・7022)まで。
城山の鐘は市街地を一望する城山公園にあり、明治11年(1878)から138年にわたって、鐘守が時を知らせ続けています。中学時代を延岡市で過ごした歌人・若山牧水が、「ふるさとに帰り来りてまづ聞くは かの城山の時告ぐる鐘」と詠んだことでも知られています。
矢島夫妻は7代目鐘守として平成12年(2000)7月から鐘楼隣の宿舎に住み込み、午前6時から午後5時まで1日6回、時報に合わせて鐘を突いてきましたか、茂さんが体調を崩し引退を決意し昨年12月12日付で引退しました。その後は、地元のシルバー人材センターが引き継ぎ鐘を撞いています。