延岡市の郷土料理「八杯汁(はちはいじる)」の知名度を高め、チキン南蛮に次ぐ延岡のご当地グルメに育てようと、市内の有志らによる「のべおか八杯汁の会」が5月19日、発足しました。
八杯汁は延岡藩内藤家の御家中料理で、かつてはお祝い事や法事などの際にどこの家庭でも作られていました。名前の由来は、8杯も食べてしまうぐらいおいしいからとか、だし汁の分量が8杯(だし6、醤油1、酒1)使うからとか、1丁の豆腐で8人分作れるからとか、諸説があります。全国に伝わっており、内藤藩の領地だった大分県由布市の郷土料理にもなっています。延岡市の兄弟都市・福島県いわき市にも「のっぺい汁」という名前で、同様の郷土料理が残っています。
近年、市内ではその存在すら知らない人が増えていることから、同市出北でJAPANカレー亭を営む甲斐忠男さん(65)らが中心となり昨年3月、「八杯汁を楽しむ会」を立ち上げましたが、さらに市全体に参加を呼びかける形で取り組みを加速するため「八杯汁の会」を発足することになりました。
会は24人でスタートしましたが、この日、市社会教育センターで開かれた発足式には約80人が出席。会長に旭化成OB会会長の高橋忠彦さん、副会長にヘルストピア延岡の平山昌信さん、推進担当に市食生活改善推進員連絡協議会の古本政子会長を選任しました。事務局はJAPANカレー亭に置きます。
発足会では高橋会長が「八杯汁は内藤藩時代から食されていた郷土料理だが、ほとんどの市民が知らない。八杯汁は塩分が少なくね低カロリーで、健康長寿を目指す延岡に最適の郷土料理。そのおいしさを認知してもらい、チキン南蛮に次ぐご当地グルメに育てていきたい」とあいさつ。出席者に八杯汁が振る舞われました。
意見交換では「十年以上前に志賀りつ先生からごちそうになり『これは延岡を代表する汁だから覚えておいてね』と言われたのが頭にあった。一昨年のエンジン01でも講師の方々に大好評をいただいた。市内のイベントなどを通じて広めていけたらいいと思う」、「延岡産の自然素材だけ使い、定番といえる八杯汁を作ってはどうか」などの意見が出されました。
会では趣旨に賛同する会員を募集しています。参加は自由で会費は年間1000円。詳しい問い合わせは事務局の甲斐さん(携帯電話080-5259-6133)まで。