延岡市の延岡城址(じょうし)で10月7日に開かれる「第26回のべおか天下一薪能」に合わせ、〝天下一〟の照合を与えられた面打ちの能面などを一堂に集めた企画展「内藤家旧蔵の能・狂言面~受け継がれてきた天下一〜」が9月16日、同市の延岡城・内藤記念博物館で始まりました。同館主催。10月15日まで。
旧延岡藩内藤家には、能面66面と狂言面6点の合計72点が所蔵されていました。これらは17代当主の内藤政道氏から、延岡市制施行60周年を記念して市に寄贈されました。
その中には、桃山時代から近世初期にかけて知られている面打「天下一」の作品が多く含まれており、天下一の焼印が押されているものだけでも、30点の作品が含まれています。
7人いた天下一の面打師のうち6人の作品があり、焼印がないものの中にも、天下一の面打師が作った痕跡である〝知らせ鉋(がんな)〟が見られる面が複数あるなど、日本の仮面史上からも非常に貴重なコレクションとされています。
今回の展覧会では、天下一の面打師らが制作した優れた作品を中心に能面38点、狂言面1点を展示。また、江戸時代を通じて毎年開催されていた神事能の様相を、江戸時代初期の延岡の町並みを描いた「延岡城下図屏風」や「内藤家文書」といった古文書などから紹介しています。
さらに、能面の見分け方や分類、能面師の系譜、これまでの天下一薪能で使用されてきた能面一覧などを展示しています。
初日の16日は、開会を前に読谷山洋司市長、松田満男市議会議長、延岡城下図屏風を所蔵する吉田病院の長友壽秀事務部長、県総合博物館の赤崎広志副館長らが参列してオープニングセレモニーが行われました。読谷山市長らのあいさつの後、テープカットして開会を祝いました。