第26回のべおか天下一薪能が10月7日、延岡市の延岡城址二の丸広場でありました。天候悪化が心配され予定より10分早い開演となりましたが、雨にたたられることもなく、約800人の観客が千人殺しの石垣の前で繰り広げられる幽玄の世界に魅入られました。
公演は、のべおかこども能の子供達による仕舞で幕開け、甲斐美乃里さんが「嵐山」、川崎将宏さんが「清経」、下沖倫子さんが「葛城」を披露し、観客から大きな拍手が贈られていました。
その後、幼き初恋を貫きとおす女の純愛を描いた半能「井筒」を観世流能楽師シテ方の片山九郎右衛門さんが演じ、太郎冠者・茂山千五郎さんと酒屋・茂山逸平さんの酒を巡る珍妙な駆け引きが笑いを誘う狂言「千鳥」が上演されました。
演目の最後は、17年ぶり3度目の公演となる能「鞍馬天狗」。鞍馬山の大天狗と美少年の出会いを描いた演目で、山伏と大天狗を片山九郎右衛門さん、その相手役となる牛若丸(後の源義経)を初めて地元の小学生、友清茉耶さん(延岡小5年)が演じ切りました。また、市内の小中学生12人が花見の稚児役を演じ、能舞台に華を添えました。