新内藤記念館の本体工事が終了 3月6・7日に内覧会実施

延岡市が建て替えを進めてきた内藤記念館の本体工事が終了した。今後は展示製作や備品の搬入、和室棟などの外構工事を行い、令和4年9月中旬ごろのオープンを目指す。本体工事の終了に伴い、3月6・7日の2日間、事前申し込み制による一般向け内覧会を実施する。新しい施設の名称について市は、開会中の定例市議会に「延岡城・内藤記念博物館」とするための条例制定案を提案している。

 

市の基本構想・基本計画によると、新しい施設は「延岡の歴史を学び継承し、未来を創造する拠点」をコンセプトに、旧施設の約2・4倍の施設面積を持つ本棟のほかに、市民の文化活動の交流拠点となる和室棟を建設。エレベーターの設置、日本庭園の再整備にも取り組む。

 

完成した本棟は鉄筋コンクリート造・一部鉄骨鉄筋コンクリート造・鉄骨造の2階建て。延べ床面積3381平方メートルで、展示スペースは旧施設の約2・1倍、収蔵スペースも約5・8倍に広がった。外壁や1階の企画展示室入り口の壁を、内藤家が日平銅山から産出される銅の残滓(ざんさい)で製造していた〝カラミレンガ〟風にしたほか、館内の天井にヒノキ、壁にスギといった市産材をふんだんに使用した。

 

1階は東西両方向からアクセスでき、団体見学者が集える広々としたエントランスホールを確保したほか、美術展などの開催が可能な企画展示室、情報ラウンジ、収蔵品の特性にあわせた温湿度管理が可能な3つの収蔵庫、書庫、研究室、作業室、会議室、事務室などを配置した。

 

特にエントランスホールは、床に6メートル×4・8メートルという巨大な延岡市の航空写真を配置するほか、西側の壁面に史跡や郷土芸能、神話ゆかりの地などを100枚のパネルで紹介する計画。また、北側壁面には、収蔵品や市の魅力を写真や映像で紹介できるタッチパネル式の70型大型モニターを設置する。

 

企画展示室には多様な企画展、特別展示、巡回展などに対応するため、自由に可動して間仕切りや展示壁となる〝スライディングウォール〟を設置した。

 

2階は体験展示室、平常展示室、ボランティア室などがある。体験展示室では、竪穴式住居、旧記念館敷地内にあった茅葺き古民家「静思庵」の内部、船倉町にあった市営アパート「薫風荘」の内部を再現し、古代から近現代に至る市民の暮らしを体感できるようにする。

 

平常展示室は約700平方メートルの広さがあり、先史時代から中世、江戸時代の歴代藩主、近現代などの史資料を展示し、延岡の歴史や暮らしの変遷などをたどれる仕組み。ゆかりの美術工芸品・民俗芸能、ゆかりの偉人に関する展示も行う。階段のある展望ロビーや企画展示室からは、城山城址の〝千人殺しの石垣〟が一望できる。

 

市文化課によると、令和3年度に木造平屋建ての和室棟(約200平方メートル)やエレベーター、日本庭園などの外構工事を実施し、文化庁の指針に従い建築材から文化財に影響を与えるアルカリガスなどが出なくなる令和4年9月中旬をメドに開館したい方針。本館と設備の工事費は約19億2000万円。総事業費は約30億円超となる見込み。

 

旧内藤記念館は、江戸時代最後の藩主だった内藤家の邸宅があった延岡城西の丸に昭和38年に開館した。市民会館としての側面も持ち、結婚式場としても利用されていた。旧施設は平成29年度に解体し、平成31年3月22日から新施設の工事に入っていた。

 

一般向け内覧会を開催

 

市文化課は、3月6日と7日、午前10時、同11時、午後1時、同2時、同3時の5回に分け、一般向けの内覧会を開催する。新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、いずれも事前申し込み制とし、各回の参加人数は30人を限度とする。

 

参加希望者は、3月1日〜5日に文化課窓口で直接申し込むか、電話(0982-22-7047)、メール(bunka@city.nobeoka.miyazaki.jp)で申し込む。受付時間は午前8時半〜午後5時15分。詳しい問い合わせも同。

 

 

 

                      【1階の主要施設】

                        【2階の主要施設】

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