延岡市がJR延岡駅前に整備した駅前複合施設「エンクロス」が4月13日、オープンしました。午前8時半から開館セレモニーが行われ、読谷山洋司市長、河野俊嗣県知事らがテープカットして開館を祝いました。
セレモニーで読谷山市長は「お大師さんの初日という延岡に注目が集まる中でのスタートとなりました。駅前、中心市街地の再生にとっての新しい第一歩となることを祈念します」とあいさつした上で、「費用対効果の検証、これからのあり方について実証実験的な中での開館で、駐車場の問題についても走りながら考える状況でのスタート。本日の開館を、公共交通の拠点として、市民の皆さんの暮らしにとっても、中心市街地の再生にとっても大事な一歩にしていきたい」と抱負を述べました。
また、来賓を代表してあいさつした河野知事は「にぎわいの拠点が県北の交通の結節点にできたことは大変な重要なこと。ここからさらなる延岡、県北のにぎわいが発信されるのではないか。その大事な一歩を皆さんと一緒にお祝いできることをうれしく思います」と祝辞を述べました。
JR九州宮崎総合鉄道事業部の宮野原佳部長、宮崎交通の菊池克賴社長も来賓として祝辞を述べた後、延岡商工会議所の清本英男会頭、設計に携わった乾久美子さんら総勢10人によるテープカットが行われました。
午前9時の開館前には、核店舗のスターバックスコーヒー前には行列ができ、山下保育園児らを先頭に入場しました。
九州保健福祉大学3年の女子学生2人は「本がたくさんあり、館内も綺麗ですごくいい施設ができたと思います。本を見ながら飲食できる施設は珍しく、勉強できるスペースもあるので、これからも積極的に活用していきたい」と話していました。
施設は鉄筋コンクリート・一部鉄骨造りの地上2階建て、高さ8・82メートル、幅100メートル、奥行き23・75メートル、延べ床面積が1659・54平方メートル。1階に市民活動や情報発信などに使うフリースペース、待合所、カフェスペース、キッズ広場、2階にフリースペース、イベントスペース、事務所などがあり、1階にはアイランド型のキッチンも完備されています。
365日年中無休で、開館時間は待合スペースが午前7時半~午後9時、スタバ、蔦屋書店などその他の施設が午前8時~午後9時。総座席数は312席。フリーWi-Fi、電源席、トイレ、エレベーターなどを完備し、販売用に約2万冊、閲覧用に約2万冊の図書があり、いずれも館内で自由に閲覧できます。閲覧用の本は黒い仕切りで表示され、傷がつきにくいようにカバーがされ、背ラベルや閲覧用を示す判子、バーコードが付いており、販売用と区別できます。
指定管理者のCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ)によると、市民アンケートなどを通じ、市民活動に活用できる書籍や、DIYや手芸など趣味に関する書籍、料理など生活に関する書籍、旅行雑誌などを中心に取りそろえており、「1~2時間で読める本や、眺めるだけで楽しめる本」を中心にセレクトされています。
今後は、市内40団体と連携したワークショップや、マルシェなどのイベントを積極的に開催。4月17日(火)には、チキン南蛮の名店「直ちゃん」直伝のチキン南蛮の作り方教室(午前10時、正午、午後2時からの3回)、4月29日(日)午後1時からは「おとうさんはウルトラマン」「おまえうまそうだな」でおなじみの絵本作家・宮西達也さんを招いての「読み聞かせ&講演会」などが予定されています。
イベントやワークショップに関する問い合わせ、参加申込は、エンクロス(電話0982-20-3900、午前8時~午後9時)まで。
駐車場は約150台分を確保予定ですが、現在は駅北側の70台が利用可能です。読谷山市長も「当面は混雑が予想されますので、送迎の形で駅を利用される方には、可能でしたから東口側にしっかりした玄関と自由通路を整備しましたので、こちらのご利用をお願いしたい」と呼びかけています。