山崎選手(ヤクルト)が残り200メートルの死闘制し初マラソン初V 延岡西日本マラソン

九州3大マラソンの一つで、若手の登竜門とされる「第56回延岡西日本マラソン」は2月11日、延岡市役所前を発着点に日向市原町のニッポンレンタカー前を折り返す42・195キロの日本陸連公認コースで行われ、残り200メートルでスパートをかけた山崎翔太選手(ヤクルト)が大会史に残る激戦を制し、2時間12分15秒の好タイムで初マラソン初優勝を飾りました。地元・旭化成勢はやはり初マラソンの本田匠選手が3秒遅れの2位でフィニッシュ。3連覇が懸かった松尾良一選手がさらに1秒遅れの3位となり惜しくも偉業達成は果たせませんでした。

 

大会には招待選手14人を含む722人がエントリー。前日の雨も上がり正午の気温7・1度、湿度41%と気温的にはまずまずのコンディションながら、風速7・3メートルという延岡名物の強い西風が吹くなかでのスタートとなりました。

 

レース序盤はペースメーカーの市田孝選手(旭化成)を先頭に、日本選手権で1500メートルを2度制しているスピードランナーの田中佳祐選手(富士通)、実業団の強豪からの参戦となった山本修平選手(トヨタ自動車)、奥野翔弥選手(トヨタ自動車九州)、初マラソンながら上位入賞に意欲を見せる山崎選手らに加え、3連覇の懸かる松尾選手、一般参加の本田選手、出口和也選手ら旭化成勢ら10数人が先頭集団を形成。中間地点の先頭タイムが1時間5分10秒と大会記録更新が狙えるペースで進みました。

27キロ過ぎでペースメーカーの市田選手が外れると、復路は追い風が吹いたかと思うと今度は強い向かい風が吹き付けるなど、気まぐれな風の変化にも悩まされ、1人、また1人と遅れだすサバイバルレースの様相。30キロの給水地点で田中選手が仕掛けると、先頭集団は田中選手、松尾選手、本田選手、山崎選手の4人まで絞られました。

その後、田中選手を先頭に3選手が追随するレース展開となり、37・5キロ地点、国道10号から県道に入る平原町の交差点付近で山崎選手が積極的に前に出ると、田中選手が徐々に遅れ始めました。

勝負が大きく動いたのは、ゴールまで残り750メートルとなった安賀多橋への上り坂付近。スピードに勝る本田選手が前に出ると、松尾選手も追随しますが、山崎選手はやや遅れ始めます。

最後は旭化成勢2人によるマッチレースになるかと思われましたが、安賀多橋を過ぎ中央通り交差点までの下り坂で意地を見せ、2人との差を縮めると、ゴールに向かう中町の直線でラストスパート。一気に2人を抜き去り、そのままゴールテープを駆け抜けました。

今大会に向け、12月と1月で計6本の40キロ走をこなすなど、誰にも負けない強い気持ちで臨んだという山崎選手。ゴール後は涙を浮かべながら「ケガの影響もあってニューイヤー駅伝のメンバーから外れるなど悔しい時間を過ごしてきたが、12月からやってきたことを結果として残すことができすごくうれしい。この喜びを支えてくれるたくさんの人、特に3月に挙式を上げる妻に伝えたい」と話すなど、激戦を制した喜びに浸っていました。

上位の成績は次の通りです。

【男子】①山崎翔太(ヤクルト・東京都)2時間12分15秒②本田匠(旭化成・宮崎県)2時間12分18秒③松尾良一(同・同)2時間12分19秒④田中佳祐(富士通・千葉県)2時間12分41秒⑤出口和也(旭化成・宮崎県)2時間14分24秒⑥田口大貴(日立物流・千葉県)2時間17分40秒⑦木津晶夫(DeNA・東京都)2時間18分21秒⑧中嶋和希(旭化成・宮崎県)2時間18分41秒⑨田口裕也(トヨタ紡織・愛知県)2時間19分10秒⑩奥野翔弥(トヨタ自動車九州・福岡県)2時間19分52秒

【女子】①佐藤紀子(ファーストドリームAC・福岡県)2時間56分40秒②片山志保(作.AC北海道・北海道)2時間56分59秒③足立結香(本城陸上クラブ・福岡県)3時間6分16秒④松藤沙也佳(下松市陸協・山口県)3時間8分39秒⑤田中典子(ミリカAC・福岡県)3時間10秒48⑥山口久子(TDK-BRC・東京都)3時間12分54秒⑦松岡聖子(宮崎陸協・宮崎県)3時間13分2秒⑧尾坂喜代美(はりきりマンボウ・熊本県)3時間15分45秒⑨山本理紗(広島大学・広島県)3時間18分5秒⑩松本寿美(若ちゃんFRC・大阪府)3時間18分45秒

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