県食品開発センター応用微生物部に野口賞奨励賞

延岡市の野口遵顕彰会(清本英男会長)は11月30日、ホテルメリージュ延岡で「第16回野口賞」の授賞式を開きました。今年は宮崎県食品開発センター応用微生物部(宮崎市佐土原町)の「焼酎酵母『平成宮崎酵母』の開発と焼酎産業への普及」が奨励賞(賞金50万円)に選ばれました。本賞の「野口賞」(同100万円)は該当がありませんでした。

同賞は日本の電気事業界・化学工業界の先駆者で、旭化成の創業者・野口遵の顕彰活動の一環として、地域産業の活性化に貢献する研究や技術開発を行っている県内企業やグループなどを対象に公募。今年は4件の応募がありました。

選考委員会は10月3日に開催。山添勝彦・旭化成延岡支社長、稲田勉・野口研究所理事長ら5人が、創造性、技術性、社会性、収益性、同顕彰会の趣旨との適合性の5項目を審査して決定しました。

「平成宮崎酵母」は、同センターが平成16年から5年の歳月を費やし、焼酎もろみから分離した272株の野生酵母の中から選抜した優良焼酎酵母で、平成22年4月から県内の酒造場へ販売を開始しました。アルコール生産性が高く、製造コストを低減でき、酵母活性が長期間継続するなどの特性があり、県内約40の焼酎工場のうち19社が使用し「甘みがある。まるみがある。原料特性が出る」などと高い評価を得ています。同25年10月11に特許登録されました。

表彰式では同センターの水谷政美所長と山本英樹応用微生物部副部長に清本会長から賞状と副賞の目録が手渡されました。水谷所長は「宮崎県内にはたくさんの優秀な微生物が存在するのは間違いなく、微生物のデータベースを構築しようと現在、2000株を超える微生物の収集を終えています。これを焼酎のみならが醤油、漬物などにも活用していただき、将来また野口賞に応募できればと思います。この受賞をバネに宮崎県の食品産業の振興に努めていきたい」とあいさつしました。

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