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特別展「延岡の豪商 谷家」が開幕-延岡城・内藤記念博物館

江戸時代はもとより明治維新後も宮崎県北地域の経済の中心地として繁栄した延岡の象徴ともいえる、豪商・谷家に残る名宝を一堂に集めた特別展が2月3日から、延岡市の延岡城・内藤記念博物館で始まりました。

 「延岡の豪商 谷家-その暮らしと文化-」と題した特別展では、安土・桃山時代に鋳造された天正大判をはじめ、元禄大判や慶長小判などの貨幣資料や文献資料、商家の嗜(たしな)みとして親しんできた能楽に関する能面や能装束、漆工芸品、日常生活に用いられていた漆工芸や、邸内を彩っていた襖絵(ふすまえ)など絵画資料など、その繁栄の様相を伝える125点を展示しています。

谷家は中興の祖といわれる栄助が、文政4年(1821)に近江国(現在の滋賀県)から延岡に来て、その子・五兵衛とともに商業を営み延岡藩内有数の商家とて成長しました。文久3年(1863)に分家独立した五兵衛の二男・仲吉は、山産物や海産物を取り扱う廻船(かいせん)業で財をなし、宮崎県内屈指の豪商「藤屋」として、京阪地方までその存在を知られる存在となりました。

初日の3日はオープニングセレモニーが行われ、読谷山洋司市長と株式会社藤屋の谷仲吉社長、市議会の早瀬賢一副議長がテープカットして開幕を祝いました。

セレモニー野中で読谷山市長は「長年の悲願とも思っております豪商・谷家の数々のお品が、本日から里帰りし、市民の皆さんはじめ多くの皆さん方にご覧いただくことがようやく実現しました。大変うれしく、感激している」とあいさつしました。

〝仲吉〟としては4代目となる谷社長は「延岡は江戸時代から活発な経済活動をしている町だった。展示しているのは延岡の経済活動で得られたものばかり。この特別展を通じて延岡が元気なまちだったということをもっと多くの人に知っていただきたい」と呼びかけています。