「延岡発祥チキン南蛮党」が解党へ 7月8日のチキン南蛮の日が最後

宮崎県のご当地グルメ「チキン南蛮」を地域活性化に役立てようと結成された「延岡発祥チキン南蛮党」(永野時彦党首)が5月24日、延岡市役所で記者会見し、当初の目的を達成したなどとして、今年の7月8日の〝チキン南蛮の日〟をもって解党することを発表しました。

解党に関する記者会見をする永野党首(左から2人目)ら

 

同党は、宮崎を代表するご当地グルメとしての知名度はあるものの、そのルーツが延岡にあることを前面に出すことで、延岡の観光事業を活性化させ、交流人口を増やそうと2009年7月8日に発足しました。

発足当時は「NAN BAN TRY」の名称で、観光協会や市・県の職員、大学の先生、会社役員、主婦ら約20人でスタート。発足を記念して開いた「チキン南蛮発祥のまち宣言シンポジウム」を皮切りに、キャラクター募集(チキなん番長)、チキなん川柳募集、チキン南蛮MAPの制作、市内の提供店を食べ・飲み歩く〝チキなんウォーク〟の開催など、矢継ぎ早な仕掛けで、「チキン南蛮は延岡発祥」というイメージを市内外に定着させていきました。

その後、ご当地グルメでまちおこしに取り組む全国の団体が集う「B-1グランプリ」への挑戦を機に、団体名を「延岡発祥チキン南蛮党」に改称。2011年の姫路大会(兵庫県)、2012年の北九州大会(福岡県)、2013年の豊川大会(愛知県)と50〜60万人が集う一大イベントに3年連続で出場し、来場者に1万〜2万食のチキン南蛮を提供するなど、全国に向けて本場のチキン南蛮の美味しさや、延岡がチキン南蛮の発祥の地であることを強烈にアピールしました。

食を通した都市間連携も進めました。唐揚げのまちづくりを進める大分県宇佐市、とり天の別府市とは、〝トリがとり持つ縁〟として「トリニティー協定」を締結。この関係は、B-1グランプリを主催する愛Bリーグ脱退後に、小倉焼きうどん研究所も加わり、東九州自動車道沿線のご当地グルメで地域おこしを考える団体が連携して、情報発信していこうという「東九州風土フード連盟」結成へと発展しました。

一方で、未来を担う子どもたちに郷土の食文化の素晴らしさを伝えていくために、学校給食会と連携して、7月8日の「チキン南蛮の日」前後には、学校給食にチキン南蛮を提供してもらう環境づくりにも奔走。チキン南蛮の給食提供に合わせ、市内の小学校を党員やマスコットキャラクターのチキなん番長が訪問し、チキン南蛮を含め延岡の食の素晴らしさを伝える講話を開くなどしてきました。

チキン南蛮の日は2017年に日本記念日協会により、記念日として登録されました。

また、三省堂の国語辞典にチキン南蛮が延岡の名物料理であることが明記されたり、小学生の生活科の教科書に延岡発祥チキン南蛮が紹介されたりするなど、チキン南蛮は「延岡発祥」「延岡生まれ」ということが全国的に認知されるようになりました。

こうした成果から、設立当初からの思いである「チキン南蛮を通した地域活性」や、「地域の子どもたちへの食育・郷土愛の育成」といった目的を一定程度達成したと考え、解党することを決めました。

永野党首は「南蛮党は解党しますが、今後もチキン南蛮は延岡観光の核であり、郷土料理として地域で大切にされていくことに変わりありません。引き続き、チキン南蛮を愛する市民として、延岡市や延岡観光協会の取り組みへの協力やサポートをしていきたい」と話しました。

【解党記念し、ちきなんうぉーく開催】

解党のXデーとなる7月8日には、延岡市役所駐車場をスタートし、チキン南蛮ゆかりの場所や歴史スポットなどのチェックポイントを巡り、ゴールのかわまち交流館(大貫町)を目指す「ちきなんうぉーく」を開催します。

時間は午後3時〜同6時まで。参加は無料ですが、6月1日から参加者を募集し、200人の定員に達し次第締め切ります。この日は、かわまち交流館下のかわまち広場で、のべおか三蔵や延岡を代表するグルメが勢揃いする「延岡グルメとのべおか三蔵を楽しむ夕べ」(個前11時〜午後8時30分)を同時開催します。

【チキン南蛮の本づくりクラファンもスタート】

延岡発祥チキン南蛮の歴史を後世に伝えるため、「延岡発祥チキン南蛮の本」の制作にも着手します。クラウドファンディング(CAMPFIRE)を通じて資金を集め、チキン南蛮の歴史や、南蛮党の活動の記録などを盛り込みます。

計画では150万円を目標に、A5判フルカラー、約100ページの本を1000部制作し、県内の小中学校などに配布していきます。

クラウドファンディングの募集は5月末ごろからの予定です。

※ちきなんうぉーくの参加申込は下記のチラシを参照。

ちきなんうぉーく募集チラシ

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