野口遵記念館がオープン 歴史文化ゾーンの象徴的施設が完成・延岡

延岡市の歴史文化ゾーンの中核となる野口遵記念館が完成し12月18日、開館式典が行われました。旭化成の創設者、野口遵氏の功績をたたえる新たな記念館で、旧野口記念館のコンセプトを継承しつつ、音楽を中心としたホールとしての役割のほか、多目的に使えるフリースペース、ラウンジ、テラス、野口遵氏の功績や人物像を伝える顕彰ギャラリーなどを備え、ゾーンの象徴的施設となっています。

名誉館長にノーベル化学賞受賞者で旭化成名誉フェロー、名誉市民の吉野彰氏(74)が就任。開館式典では、吉野氏や旭化成の工藤幸四郎社長(延岡市出身)らが出席してテープカットなどのほか、のべおか「第九」を歌う会による祝賀公演が行われました。

野口遵記念館は、昭和30年に開館し市民公会堂として長年親しまれてきた「野口記念館」が老朽化したことなどを背景に、旭化成から創業100周年を記念し寄付された30億円を主な財源として、昨年2月10日から約51億円をかけて再整備されました。

敷地面積は1万4310平方メートル、延床面積は4397平方メートル。鉄筋コンクリート造一部鉄骨造りの3階建て。280台の駐車場を完備しています。壁や天井、床、家具には市産材のスギ、ヒノキを使い、木の温もりに包まれた空間づくりを目指しました。

ホールは1階510席、2階バルコニー84席、3階バルコニー81席の計675席で、旧記念館より32席増えました。コンサートや演劇、舞台、講演会などさまざまな活動に利用できます。波打つような連続する曲面形状の天井、鮎やなを模した拡散ルーバーなど、音響面を重視しています。舞台にはヒノキの集成材を活用しました。

また、さまざまなイベントや市民活動などに利用できる2つのフリースペースを設置。簡易で小規模な舞台芸術公演、音響を使った音楽公演、展示会場、ダンス練習などに利用できます。

1階にはホールやフリースペースを囲む形状の交流ラウンジがあり、野口遵顕彰ギャラリーでは、野口氏の人物像の紹介や延岡で事業展開するに至った由来、延岡が工業都市として発展していく黎明(れいめい)期の様子などを模型やパネル、映像などを駆使して伝えています。

そのほか、3階テラスや屋上庭園、延岡出身で日本トイレ協会会長の小林純子氏がデザインした斬新で広々としたトイレなど、細部まで工夫が凝られされています。

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