ワイワイテレビ制作「切れた堤防」が全国CATVアワードでグランプリ

ケーブルメディアワイワイ(本社・宮崎県延岡市愛宕町、濱井研史社長)が2019年(令和元年)に制作した「切れた堤防〜宮崎県延岡市に見る霞堤(かすみてい)〜」が、第46回日本ケーブルテレビ大賞番組アワードでグランプリに当たる総務大臣賞に輝いた。同賞の受賞は同社では初の快挙。

同賞は日本ケーブルテレビ連盟が、全国のケーブルテレビ事業者が独自に制作する「ふるさと発」の優れた番組を顕彰し、地域住民のための映像情報文化のさらなる発展を目指すことを目的に毎年開催している。

今年はコンペティション部門に65、コミュニティ部門に89、新人賞部門に36、4K部門に24の計214作品の応募があった。6月の予備審査で34作品に絞り込み、7月末の本審査で最終ノミネート23品と各賞を選定。9月17日にオンラインで授賞式を開いた。

コンペティション部門の優秀賞となり、全体のグランプリに選ばれた「切れた堤防」は、2018年(平成30)9月から2019年10月まで約1年がかりで取材・制作し、2019年11月4日に初回放映された30分番組。

同市北川町にある〝霞堤〟という初めから切れている堤防による独自の治水対策の仕組みや、流域全体にもたらす効果などを解説する一方で、水害と共存してきた人々の暮らしや住民の苦悩などを紹介。その存在意義や課題をわかりやすく伝え理解を深める番組づくりや、地域の安心・安全を守る情報発信に取り組む姿勢などが高く評価された。

同賞に先立って8月に開かれた「第16回ケーブルテレビ九州番組コンクール」でも、準グランプリに受賞している。

同社制作局主任で担当ディレクターの山元拓朗さんは、「2016年の台風襲来時に、増水した河川により一帯が水に浸かった地域があった。泥を片付けている住民から『ここは台風のたびに毎回水に浸かる』と聞き、水害が当たり前による地域があっていいのか? という思いから調べ始めると、この地域は〝あえて〟堤防に開口部を設け、増水すると堤防が決壊しなくても一帯が水に浸かる仕組みになっていることが分かった。全国的に想定を超える災害が頻発するなか、水と共存するヒントがここにあると思った」と、制作の意図を話す。

制作の過程で、霞堤が北川町民だけでなく下流の住民の被害軽減につながっていることを知らない市民も多いことが分かり、「水害対策は流域全体で取り組む課題であることを訴えることができ、制作して良かった」という。

さらに「地元密着のケーブルテレビ局として、災害とどう向き合っていくかが大きな課題。地域の声をちゃんと拾い上げ、より深掘りし何が課題で、どうすることが望ましいのかを伝えるのも大きな役割。その集大成として大きな賞をいただき、非常にうれしい。これからも地域の声を拾い、伝えていかないといけないと再認識した」と喜んでいる。

同社は10月5日から11月1日まで、ワイワイテレビ112チャンネルで受賞番組を再放送する。

関連記事

PAGE TOP