延岡市北川町の鏡山(645m)に、購入した牛肉をセルフで焼いて食べることができる牛肉の直売所がオープンした。鏡山で肉用牛の放牧をしている株式会社鏡山牧場(八崎秀則社長)が、山頂にある旧サニーハウスの施設を延岡市から借り受け、8月8日から直売所を開設。8月23日には読谷山洋司市長らが参列し、オープニングイベントが行われた。
八崎社長は2016年(平成28)に、広島県の離島・大崎上島町から延岡市に移住し、翌年から鏡山で黒毛和牛の自然放牧を始めた。海風が運ぶミネラル豊富な牧草を食べて育った牛は、脂分が抜けてサシが少なく、ヘルシーでさっぱりした肉質になるという。
また、宮崎ひでじビールの協力もあり、ビール製造時に出る麦芽糟を少量与えることで、肉質改善につながっており、ふるさと納税の返礼品としても人気だ。
鏡山は、眼下に雄大な日豊海岸が見渡せる人気スポット。ハンググライダーやパラグライダーの基地としても知られている。山頂付近ではかつて、北川町畜産公社が牧場を運営。1986年(昭和61)からは焼き肉レストラン・サニーハウスを開設し、絶好のロケーションも相まって人気を集めていた。
直売所は、2001年(平成13年)から約20年近く閉鎖されていたサニーハウスの施設を活用。土曜・日曜・祝日の午前11時から午後3時まで営業し、黒毛和牛(ロース・モモ・バラなど)を1パック(200g)1500円で販売するほか、和牛100%のソーセージを使ったホットドックやコーヒーなども販売している。
店内はイートインスペースとして利用でき、カセットコンロ(貸出500円)を使ってセルフで購入した肉を焼いて食べられる。
オープニングイベントで読谷山市長は「世界一の評価を受ける宮崎牛のなかでも数少ない放牧による脂身の少ないグラスフェッドの肉が、じかにここで購入でき、じかに食べることができる。本当に素晴らしい施設がオープンしたと思う。市としても全力でPRさせていただき、多くの人に素晴らしさ、幸せを感じてもらいたい」とあいさつ。
八崎社長は「この素晴らしいロケーションで育てた牛を直接食べていただく念願の直売所ができた。延岡には全国、海外に発信できる素晴らしい食材、スポットがたくさんある。ここが延岡に来ていただく場所づくりに貢献できたらと思う」と話した。
今後はスタッフを増員し、平日や夜間営業なども計画しているという。鏡山までは、東九州自動車道北川インターから車で45分。詳しくは鏡山牧場(℡0982-46・2333)へ。