社会で働く大人たちを講師に、働くことの意義や地域の魅力を伝えるキャリア教育事業「よのなか教室」が6月7、8日の2日間、延岡市の岡富中学校(瀬戸山初博校長)で開かれました。今年4月に本格始動した延岡市キャリア教育支援センターが主催する初の事業。3年生152人が4グループに分かれ、2日間で8人の「よのなか先生」(社会人講師)から、仕事の内容や仕事に就いた経緯、メッセージなどを聞きました。
キャリア教育は,子供・若者が、生涯にわたって担う立場や役割において必要な能力や態度の育成を目標とする教育的な働きかけです。若者の地元就職率が低下するなど、次世代を担う人材を育てることは地域企業にとって極めて重要になっています。
同センターは今年1月13日、延岡商工会議所内に開設され、コーディネーター2人が、よのなか先生となる人材の登録や、よのなか教室開催に向けての学校回りなどを展開しています。
今回よのなか先生となったのは、初日の7日が甲斐重勝さん(上三輪町・延岡西部処分場社長)、福村正勝さん(沖田町・延岡市陸上競技協会会長)、藤井洸太朗さん(東本小路・延岡市工業振興課)、野村良機さん(浜町・元旭化成ベンベルグ工場管理室部長)の4人。8日が宮田澄男さん(古城町・聖心ウルスラ学園高校就職アドバイザー)、敷石輝幸さん(中央通・元旭化成延岡支社総務課長)、矢野東五さん(三輪町・延岡信用金庫安賀多支店支店長)、木村雄樹さん(大武町・木村鐵化)の4人です。
そのうち福村さんは、長崎県の定時制高校を卒業して旭化成に入社したものの、陸上部の定員がいっぱいですぐには入部できず、ようやく入部した後も他の部員との力の差を痛感し、夜中に緑ヶ丘の松林の南端から東海の河口まで何往復もするなど命がけの練習で鍛えて力を付け、旭化成を代表する選手の一人になったこと。昭和39年に始まった全日本実業団駅伝で4年連続優勝するなど活躍し、マラソンで五輪出場を目指しましたが、膝の半月板を痛め選手生活を断念し、その後はコーチとして後進の育成に尽力。職場でも昇進試験に挑戦したり、独学で大学の卒業資格を得るなどして最後は旭化成延岡支社の総務課長を務めるまでになったことなどを紹介しました。
その上で、「大きな目標を早く決め、それに向かって努力してください。努力せずして成功はない。失敗は成功のもと。失敗を恐れず、何事にも楽しむ心を持って挑戦して欲しい」と呼びかけました。