堤防にあえて切れ目を設け大雨時の洪水を一時的に田畑へ逃がし、下流への負担や氾濫被害を抑える伝統的な治水方式である「霞堤(かすみてい)」について学ぶ授業が9月9日、延岡市北川町の北川中学校(山本正和校長、全校生徒44人)で行われました。
総合的な学習の時間を使って初の試みとして実施されました。4年前から「北川町内の霞堤および水位標柱の実測・デジタル化」に取り組む延岡工業高校土木科3年生との連携授業として実施し、1年生15人が高校生によるプレゼンや現地見学を通じて、身近にある水害被害軽減のための構造物に対する理解を深めました。
霞堤は堤防に切れ目となる開口部を設け、洪水時に川の水を周辺の田畑に流す仕組みになっています。川の流量を減らしたり、下流の堤防決壊を防いだりする効果があるとされ、全国各地で想定外の大雨が多発するなか、流域全体で被害をなくす「流域治水」を考える上で注目を集めています。


戦国時代の武田信玄が考案したとされ、同町家田地区には江戸時代中期には霞堤の原型が存在していたという文献が残っています。旧北川町時代の昭和50年(1975)以降に本格的な整備が行われ、現在は北川中流域に家田地区を含め6カ所の霞堤が整備されています。
延岡工業高校土木科は、令和5年(2023)から第一工科大学(鹿児島県霧島市)や大正大学(東京都)などと連携し、霞堤に関する調査研究を継続的に実施しています。
この日の連携授業には、土木科の3年生7人と担当の湯地龍男(ゆじ・たつお)教諭、第一工科大学工学部環境エンジニアリング学科の本田泰寛(ほんだ・やすひろ)教授が参加しました。
生徒達はパワーポイントを使って、土木科の先輩たちが取り組んできた調査研究結果やニュース報道などの記録を基に、霞堤の仕組みや、家田地区には過去75年間、38回分の浸水水位を記録した標柱があり、昨年新たに土木科の先輩たちが令和6年8月の水位に関するプレートを設置したことなどを解説しました。
また本田教授も、延岡工業高校生らと制作した霞堤の模型を使って、そのメカニズムを分かりやすく説明しました。
この後、両校の生徒らは家田地区に移動し、水位標柱や霞堤を見学しました。














