延岡商工会議所(清本英男会頭)に1月13日、「延岡市キャリア教育支援センター」が開設されました。社会人講師を市内の小・中・高校などに派遣して授業を行い、社会で働くことの意義や地域の魅力を伝えることで、地域の将来を担う人材を育成することが目的です。産業界を主体とした支援センターの設置は日向商工会議所に次いで県内2例目となります。
キャリア教育は,子供・若者が、生涯にわたって担う立場や役割において必要な能力や態度の育成を目標とする教育的な働きかけです。若者の地元就職率が低下するなど、次世代を担う人材を育てることは地域企業にとって極めて重要になっています。
同市ではこれまで、市教委を中心に講師派遣事業(出前授業)が17年間、授業支援活動(はげまし隊)が7年間、ふるさと教育推進事業(旧キャリア教育実践事業、子供たちに伝えたいこと)が6年間にわたって継続実施されており、「延岡のキャリア教育は日本一」と言われています。これらを土台にさらに産・学・官・民が連携を深めることで、地域の総力をあげてキャリア教育を推進していく方針です。
具体的には、会議所内に支援センターを設置し、コーディネーター2人を配置。「延岡の大人はみな子供たちの先生」を活動スローガンに、学校の要請に応じセンターに登録した社会人講師(よのなか先生)を派遣し、社会で働くことの意義や地域の魅力を語り伝える授業(よのなか教室)を実施します。
本格稼働は今年の4月から。初年度は約100人、数年後には約500人程度の社会人講師を公募し、学校側の要請に対応していきます。
また、広範な理解と協力を得るため「延岡市キャリア教育推進懇話会(仮称)」を設置。基本方針の策定や実施結果の評価・総括を行い、活動を推進していきます。
開所式には清本会頭、宮崎県キャリア教育支援センタートータルコーディネーターの水永正憲氏、延岡市の首藤正治市長、笠江孝一教育長が出席。延岡商工会館の玄関に看板を設置しました。
清本会頭は「次世代を担う子供たちを育てていくためには、家庭と学校に加え、地域の産業界と地域社会の力が求められています。この地域で働き、暮らす様々な大人たちが、その魅力を子供たちに語り伝えていく必要があり、特に産業界にはその役割を積極的に担っていくことが求められています」と、開設の趣旨を説明しました。
支援に当たる水永氏は「産業界と地域社会のすべての大人が子供たちに関わって、働く喜びと苦労を語っていく。社会で働くことの意味、地域にある企業で働くことの魅力を語っていくようなことをしていきたい」と抱負を語りました。