城山城址に天下一が舞う「第20回のべおか天下一薪能」が10月8日、延岡城址二の丸広場の特設舞台でありました。
今年は20年目の大きな節目の記念公演とあって、能の大曲「道成寺」を上演されました。あいにく雨の中での公演となりましたがおよそ2000人が訪れ、優美の世界に酔いしれました。
「天下一薪能」は、NPO法人・のべおか天下一市民交流機構が、延岡の歴史・文化を活かした新しい地域づくり・ブランドづくりを通じて、地域の情報を広く発信するとともに、地域の人々にふるさとへの愛着と誇りを持ってもらおうと、平成9年度から開催しています。
仕舞「岩船」、「羽衣」、「鞍馬天狗」では、のべおかこども能プロジェクトに参加するキャリア3年以上の子供たち6人が稽古の成果を披露。観客から大きな拍手が贈られていました。
狂言「蝸牛(かぎゅう)」には、昨年に引き続き、和泉流野村万作家狂言方の野村萬斎さんが出演し、観客の笑いを誘っていました。
最後に能「道成寺」を上演されました。道成寺は、能曲のなかで空間に目を向けた唯一の曲で、舞台の真上に巨大な鐘を釣り、その鐘を舞台の上に落とし、演者がその中に入り込むという派手な演出が特徴です。
天下一薪能を支えてきた観世流能楽師シテ方の片山九郎衛門さんが山伏に恋をし、騙されたのちに憎しみのあまり蛇女となってしまった清姫を演じました。
節目の公演にふさわしい大曲に、観客からは大きな拍手が送られていました。