日之影町大字七折の中川地区で、約3万5千本のチューリップが見ごろを迎えている。周辺の山桜やソメイヨシノは葉桜になりかけているが、春を盛りと咲き誇るチューリップと、山水画の深山幽谷を思わせる雄大な周辺の景観が、訪れた人たちを楽しませている。
中川地区は日之影町の東端、綱の瀬川を挟み、延岡市北方町下鹿川の対岸に位置する小さな地区。2000年(平成12)ごろから稲作を終えた棚田を活用しチューリップの里づくりがスタートした。
当初は個人による活動だったが、次第に地区住民へと発展し、2004年度(平成16)からは地区内7世帯で構成する「中川チューリップの里づくり協議会」(瀧川宗利会長)が主体となり、チューリップ祭りを開いている。
名峰として知られる比叡山(760メートル)、矢筈岳(660メートル)を望む棚田には、赤、黄、白など色鮮やかなチューリップがほぼ満開。訪れた人たちは、風に揺れるチューリップの花をじっくりと観賞したり、カメラやスマートフォンで記念写真を撮ったりして楽しんでいる。
今年は新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、恒例のチューリップ祭りは中止した。
中川地区までは、国道218号の青雲橋東詰から車で約25分の道のり。延岡市北方町の下鹿川からもアクセスできる。詳しくは町観光協会(TEL0982-78-1021)へ。