2年に一度の奇祭、大分県佐伯市宇目の「木浦すみつけ祭り」が2月13日、宇目木浦鉱山の山神社で開かれました。ダイコンの切れ端に鍋墨を付け、「祝わせておくれ」といいながら誰彼となく顔に墨をつける祭り。顔についた墨が多いほど縁起が良いとされ、雨にもかかわらず皆笑顔で墨を塗りつけ合っていました。
境内にできたステージでは、開会行事、もちまきなどに続き、木浦鉱山に女中奉公に来た女性が子守をしながら歌ったという「宇目の唄げんか」、鉱山での作業の様子を今に伝える「ユリ唄」、「フイゴ唄」などの郷土芸能が披露されました。
山神社から3人の荒神が舞い降りると、いよいよすみつけの開始です。来場者は墨を付けたダイコンで子供や家族、隣の人など次々に墨を付けていきました。荒神も境内で墨を付け回りますが、荒神の面が怖くて泣き叫ぶ子供たちの姿があちこちで見られました。
ひととおりすみつけが終わった後は、地区の若者が担ぐ「大幣」と荒神が各戸を回り、打ち鳴らす太鼓にのって家の前で舞い踊り、家人は酒やお菓子、ご馳走で一行をおもてなししました。
この祭りは、過疎・高齢化が進み平成17年に一度中止に追い込まれましたが、近辺の佐伯市や豊後大野市などに住んでいる地元出身者の協力を得る形で平成20年から復活したそうです。