延岡市の野口遵顕彰会(吉玉典生会長)が主催する、少年少女科学技術派遣研修事業「ジュニア科学者の翼」の報告会が22日、同市旭町の旭化成向陽倶楽部で開かれ、派遣された中学生が研修で得たテーマに沿って研究内容を発表しました。
ジュニア科学者の翼は、県北地域(延岡、門川、日之影、高千穂、五ヶ瀬)の中学2年生を対象に、21世紀の新しい産業社会の担い手となる少年少女たちが科学技術への関心を高め、科学技術への無限の可能性に夢と希望を抱く切っ掛けとなる事を期待した事業です。


平成13年から「ジュニア科学者の翼」の愛称で夏休み期間を利用して、関東地区にある野口研究所をはじめとする、野口研究所や科学技術館、国立科学博物館などへ3泊4日の日程で研修派遣しています。
今年で24回目を迎え、これまでに268人の研修生を派遣しており、研修生は県内外の事業所・行政で要職に就き人々の暮らしに貢献しています。


今回も、選抜された県北の中学2年生12人が8月3日から、3泊4日の日程で東京を訪れ、野口研究所などを訪れ研鑽を深めてきました。
報告会には、派遣生徒やその保護者、引率教員ら約40人が出席しました。開会に先立ちあいさつした吉玉会長は、「AIの台頭などでで今までとは全く違う時代を迎えるが、そういう時代になっても大事なことは人間としてどういう考えを持つか。人としてどう生きたらいいかということをしっかり勉強することが重要なこと。これまで準備しきたことを十二分に発揮して、悔いのない発表をしてほしい」と呼びかけました。

来賓を代表してあいさつした野口研究書の竹中克(たけなか・まさみ)理事長も、「8月3日に野口研究所を訪問してもらい、みんなワクワクしていろいろ聞いてくださってウチの研究員たちもとても喜んで刺激になっています。いろんな好奇心がたくさんの出てくると思うので、それを大切にしていただければと思う。中学校時代のいろんな好奇心はずっと大切にしてほしい。宮崎の将来を担う若い皆さん方に、大いに期待しています」と話しました。
報告会では、研修生が3グループに分かれ、自作の資料を提示しながら研修成果を披露しました。「ものづくりに生かされる科学技術」グループは、「ものづくりで地域のいのちを守る〜地域医療を支える技術と人々〜」と題して、医療機器の歴史を振り返った上で課題と今後の展望しながら「医療従事者の負担を減らし、患者一人ひとりに寄り添うスマート医療が実現していくことに期待したい」などと訴えました。
「人類の夢、未来をつくる科学技術」グループは、「宇宙×エネルギー〜脱化石燃料社会に向けて〜」のタイトルで、地球温暖化対策の居着かんとして宇宙という新しい視点から、宇宙の資源やエネルギーの可能性を探った上で、「過酷な環境下で安定稼働するロボットが必要」などと問題点を指摘し、「技術が発展すれば、宇宙が未来の資源・エネルギー問題を解決する新たな選択肢になるかもしれない」とまとめました。
「医療の発展に貢献する科学技術」グループは、「医療と薬の関係〜すべての人が健康に暮らせる未来へ〜」と題して、昔の薬と現代の薬の違いを解説しました。その上で、薬剤耐性菌の増殖、開発費の高騰と超高額な薬の登場による国家予算や患者の経済の圧迫、儲からない新薬の開発が後回しになるといった課題を指摘し、「高度な技術を進化させるだけでなく、誰もが安全に薬を使い続けられる持続可能な仕組みが求められている」と強調しました。

続いて12人全員による個人研究の発表も行われ、研修生を代表し団長の松井馨大(まつい・けいた)さんが「この活動を通して学んだことは科学の知識だけではありません。疑問を持つこと、仲間と協力すること、そして自分の考えを自分の言葉で伝えることの大切さを学ぶことができました。この経験をここで終わらせるのではなく、これからも何故という気持ちを大切にして、いろいろなことに挑戦していきたいと思います」とあいさつしました。
最後に延岡市教育委員会学校教育課の岩切隆人(いわきり・たかと)課長が、グループの発表それぞれに講評を述べた上で、「少子高齢化社会に加え、変化の激しい社会の真っ只中です。次の時代の創るのは君たちも含まれています。野口遵氏のように志を高く、けして諦めず、挑戦し続け、自分の誇れる生き方を目指し、それぞれの科学者としての翼を大きく広げて、将来活躍してほしいと期待しています」と締めくくりました。












