140年前の西南戦争に敗れた西郷さんたちがたどった古道を歩くイベントが3月19日、延岡市の上祝子から上鹿川に至る鹿川越えの古道で行われました。
この古道は、昔から両地区の住民が往来し交流を深めた道で、国内最後の内戦となった140年前の西南戦争では、鹿児島に敗走する西郷隆盛がたどったルートでもあります。
この地域は今年の夏に登録認定が予定される「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」内にあり、かねてから豊かな自然と人間が共生してきたエリアであり、絶滅危惧種を含む貴重な動植物の宝庫でもあります。
平成30年のNHK大河ドラマ「西郷どん(せごどん)」を前に、延岡市から高千穂町にまたがる古道、まさに敗走する西郷軍がたどった古道を整備しつなげていくことで、過疎や高齢化が顕著な地域の活性化を図るための第1弾イベントとして、上鹿川のフォレストマントル上鹿川と里山の暮らしを紡ぐ会、ひむか感動体験ワールド(ノベスタ)の3団体が主催して開催しました。
延岡市内を中心に高千穂町、門川町、宮崎市を含む16人が参加。上鹿川、ノベスタ、同市北川町の地域おこし協力隊員らをガイドに、約3・6キロの道のりを2時間かけて歩きました。
前日の雨から一転、ポカポカ陽気に恵まれ、参加者は九州最後の秘境といわれる大崩山の雄姿を眺めながら、元気に完歩しました。スタート前には、北川町俵野にある西郷隆盛宿陣跡資料館の児玉剛誠館長が西郷軍の敗走ルートなどを説明したほか、ゴールの上鹿川では紡ぐ会の西京子代表が上鹿川に残る西郷軍縁のスポットなどについて説明しました。
また、昼食時には上鹿川の女性部が準備した煮しめや白和え、地コンニャクの刺身、椎茸の炭火焼き、夜神楽の際に提供される「よながれ」と呼ばれる汁掛け飯などが提供され、素朴な里のもてなしに、参加者の顔に自然と笑みが浮かんでいました。
3団体では今後も、こうしたイベントを継続的に開催していく方針です。