「超高速!参勤交代リターンズ」公開を記念し講演会 延岡シネマ

 延岡市北町の延岡シネマで上映されている映画「超高速!参勤交代 リターンズ」の公開記念講演会が12月11日、同シネマで開かれました。映画は延岡藩主だった内藤家の縁戚に当たる湯長谷藩(現・福島県いわき市)の内藤政醇(まさあつ)公を主人公にした痛快歴史エンターテインメント。上映に先立ち市文化課の専門学芸員・増田豪さんが、延岡藩の歴史や、延岡藩内藤家を本家とする全国の内藤家にまつわるエピソードなどを分かりやすく解説しました。映画は2017年1月6日まで上映中です。

2014年6月に公開され大ヒットを記録した「超高速!参勤交代」の続編。前作では、幕府から突如参勤交代を命じられた弱小貧乏藩が、金も人手も時間も無いなか、智恵と工夫で無理難題に挑み、見事江戸への参勤を成し遂げた姿が描かれました。

今作では、ようやく参勤を終えた内藤政醇たちでしたが、ホッとしたのも束の間、今度は湯長谷に向かって出発します。ところが、湯長谷で一揆が勃発、幕府から派遣された目付が到着するまでに一揆を収束できなければ、藩のお取りつぶしは確実。“参勤”の倍の速さで“交代”しなければならなくなった一行の珍道中がまたまた始まります。行く手に待ち受ける刺客らとの対決などの試練を乗り越え、政醇たちは無事藩を取り戻せるのでしょうか……というストーリーが描かれています。

講演の中で増田さんはまず、延岡藩の藩主の変遷について説明。「延岡のお殿様というと内藤家というイメージが先行するかもしれませんが、それ以前にもお殿様はたくさんいます。最初、延岡城を造ったお殿様は高橋元種という北九州からやってきたお殿様です。ところがこの高橋家はすぐお家断絶になってしまい、替わりに長崎県から有馬家がやってきます。次に栃木県から三浦家、続いて愛知県吉田藩から牧野家がやってきて、内藤家の七万石という風に引き継がれていきます。内藤家は江戸時代の最後まで、120年以上お殿様をするものですから、お殿様というと内藤家というイメージになります」などと話しました。

その上で、今回の映画に登場する湯長谷藩と延岡藩の関係について、「いずれも初代・義清(よしきよ)を祖に持つ家になります。義清は今の愛知県安城市の豪族で、徳川家がまだ松平という戦国大名の時代に松平の家臣化していくのがこの義清で、2代の清長の時に枝分かれしていきます」などと説明。義清を始祖として全国に6家あった内藤家の変遷について紐解きました。

最後に湯長谷藩と延岡藩の関係についても言及。「5代忠興から分かれたのが湯長谷藩内藤家。最初は遠山と名乗っていましたが、主人公の政醇の父・政貞の時代から内藤という苗字に戻ります。延岡には政醇の時代、延岡藩の初代になる政樹が磐城から延岡に移ってきます。政樹は前作でも登場。政醇が窮地に陥っている時に、大名行列の道具を貸してあげます。下がり藤の家紋はどこの家も一緒だから使ったらいいじゃないかというシーンが出てきます。今回の作品でも湯長谷藩が窮地に陥る中で、磐城平藩に助けてもらう、駆け込むという様子が出てきます」などと紹介しました。

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