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延岡市長が議会に再議書提出  水道料金条例改正問題で

 延岡市の水道料金の引き下げに関する条例案が否決され、議会が提案した修正案が可決されたことを受け読谷山洋司市長は9月20日、市議会の松田和己議長に、修正案の審議のやり直しを求める「再議書」を提出した。市民説明会などを通じ、市民から寄せられた意見の過半数が原案に賛成だったことなどが主な理由。市議会では9月議会の会期中(9月30日)に、可決した修正案について再度審議を行う方針だ。

 市議会は9月13日の本会議で、水道料金を引き下げる市長提案の条例案に対し、消費税2%分の引き上げとなる修正案を提出し可決した。

 市長が提案した条例改正案は、すでに決定している老朽化した水道管の耐震化などの計画を変更することなく、新たに国の財政支援制度を活用し1億8640万円分の水道料金を引き下げるというもの。これにより水道基本料金の12月使用分からが税抜きで平均2・53%、税込みで0・77%引き下げにつながる。

 これに対し市議会側は、「来る南海トラフなどの災害に備え一刻も早い耐震化が急がれる。料金引き下げの是非については多くの市民の意見を聞いた上で判断すべきもので、現時点での判断は時期尚早」――などを趣旨とした附帯決議を付けた上で、水道料金引き下げ部分を削除し、消費税アップに伴う値上げ分についてのみ条例を改正する修正案を提案した。

 修正案の可決を受け延岡市は9月17、18日に市民説明会を開催したほか、ホームページや上下水道局の窓口で市民からの意見を募った。その結果、寄せられた495件の意見のうち、市長原案への賛成は251件(50・7%)、議会修正案への賛成が191件(38・6%)、その他が53件(10・7%)だった。

  この結果を受け 読谷山市長は、①昨年7月の料金引き上げは、国の財政支援制度を活用していればもっと低く抑えることが可能であった。その活用について料金引き上げ決定の際に徹底した検討が行われなかったことは遺憾であり、市民生活や地域経済の厳しさに対する洞察に欠けていたと言わざるを得ない②限られた時間の中で市民の意見を聴くために市民説明会や意見募集を行った結果、過半数は原案に賛成にするものだった。この結果は重く受け止めるべき③仮に次の議会以降に料金引き下げが可決された場合、処理すべき事務が増加し、追加的な費用が発生。市民の混乱が生じることなどが懸念される――の3点を理由に再議を申し入れた。

 その際、読谷山市長は「再議後に原案が可決された場合には、附帯決議の趣旨を踏まえ、事業の効率的執行を図ることなどにより、計画以上の耐震化事業を実施するよう最大限の努力を行うことを申し添えます」と述べた。