延岡市

読谷山新市長が施政方針  延岡市議会3月定例会開会

延岡市議会3月定例会が2月27日開会しました。会期を3月22日までの24日間と決めた後、読谷山洋司市長が総額542億5200万円の平成30年度一般会計当初予算案など32議案を提出。同予算案について「本市の特性や資源を最大限活かしながら、『新しい延岡』づくりを行ってまいる所存でございます。推進にあたりましては、『現場主義の読谷山』とのあだ名がつくくらいに『現場主義』を徹底し、市民の皆様や職員、関係する皆様方と対話を重ねてまいる考えであります」と語りました。

読谷山市長は冒頭、30年度の施政方針について所信を表明。「市民の皆様の幸せのために、みんながうるおう延岡づくりのために、自分がこれまで培ってきたもの全てを捧げる覚悟であります。そして、一生懸命に働いて税金を納めている方々が『税金を納めたら暮らしが良くなる』と信じることができ、且つ実感できる延岡を実現するために、全てをなげうち、全てをかけて、選挙に臨み、また本議会に臨まさせていただいているところであります」と意欲を見せました。

 

 読谷山市長の施政方針の全文は次の通りです。

 

平成30年度当初予算案並びに各議案の提案にあたり、私の市政に対する基本的な考え方を申し上げまして、議員各位並びに市民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

本市は、人口減少数が県内一多く、高齢化率も県平均を上回って推移しております。子育て環境や医師不足などの課題も山積しております。

また、先の市長選挙におきまして、市民の皆様から「生活が苦しい」「先々が不安だ」「私たちの声が届かない」「延岡を変えてほしい匸などの切実な声を多数いただきました。市民の暮らしを守る施策の展開が求められているとごろです。

一方で、本市には、歴史や文化、超一級品の海・山・川や、その豊かな自然環境の中で営まれる第一次産業、優れた工業技術や製品、人材など、すばらしい資源がたくさんあります。

また、東九州自動車道の開通や九卅中央自動車道の段階的整備により、東九州のクロスポイントとしての拠点性が高まってきております。

旭化成のニューイヤー駅伝連覇や延岡学園高等学校の春の選抜高校野球出場決定など、アスリートタウンとしての躍動も感じられるところです。

このような本市の特性や資源を最大限活かしながら、「新しい延岡」づくりを行ってまいる所存でございます。

また、その推進にあたりましては、「現場主義の読谷山」とのあだ名がつくくらいに「現場主義」を徹底し、市民の皆様や職員、関係する皆様方と対話を重ねてまいる考えであります。

議員各位並びに市民の皆様のより一層のご理解、ご協力をお願い申し上げます。

それでは、ここから、私が選挙で掲げてまいりました政策を中心としながら、施政方針として、主な施策に関する説明を申し上げます。

はじめに、「市民の現金収入を増やす政策についてでございます。

その実現のために、まず「安い経費で暮らせるまちづくり」に取り組む所存であり、水道料金につきましては、水道事業経営のさらなる見直しや、老朽化した施設更新のためのさらなる国の支援制度の活用等、再度検討をさせていただきたいと考えております。

また、安価な電気を供給するための地域電力会社の創設につきましても、他県の例等も参考に、できるだけ早い時期に実現したいと考えております。加えて、新しい視点でバス交通のネットワークを整備し、安く移動できるまちを形成したいと考えております。

また、子育て支援のため乳幼児等医療費助成事業の拡充に向け関係機関と協議を行うとともに、「財政・市民負担総点検」を行ってまいりたいと考えております。

あわせて、「思い切った産業・雇用政策」を実行し、まず、地元産業を積極的に応援する観点から、地元企業発注を基本とし、また私自らのトップセールスはもとより、外とつなぎ外貨を稼ぐ「延岡経済リンケージ機構」を創設し、新しい取引先の開拓や人材の発掘・紹介をはじめ、起業の支援も含め、取り祖んでまいりたいと考えております。できるだけ早い時期に実現したいと考えております。

また、延岡の強みを活かし、東九州のクロスポイントとしての発展を実現すべく、本市を製造・物流・I Tの拠点とするための施策に取り組んでまいります。

この構想の基盤となる九州中央自動車道の整備につきましては、将来的にはその一部として機能する高千穂日之影道路の「末市~深角間」や、熊本県側の 「小池高山~北中島間」が平成30年度に開通予定であり、これまでに開通した14. 9 kmと合わせ、28.5kmが開通し、供用率も16%から30%に一気に上がることになります。

南海トラフ地震の際の支援道路や西九州地域との連携強化を図るために必要不可欠でありますので、引き続き、早期の全線開通に向けて、宮崎・熊本両県、沿線の行政・議会・民間と連携しながら、より強力に取り組んでまいります。特に、計画段階評価手続き中である「蘇陽~高千穂間」につきましては、今月16日に第3回地方小委員会が開催され、概略ルート・構造が決定しましたので、早期に事業化が図られるよう強く働きかけを行ってまいります。

次に、「攻めの第1次産業政策について」でございます。

第1次産業を市政の柱として位置づけ、JAの「所得アップGO!GO!テン」運動と連携しながら、農業、さらには第1次産業の10%所得アップを目指してまいります。

農業の振興につきましては、担い手への農地の集積・集約化、認定農業者や営農集団など中心経営体の機械導入の支援、新規就農者や農家子弟の就農支援、労働力不足解消のための新たな仕組みづくり、産直農産物の品質を保持しながら流通させるシステムづくり、地元で広く活用・消費する仕組みづくりの実証事業、園芸用ハウスの整備促進、畜産農家への支援による飼養頭数の維持・拡大などに努めてまいります。

沖田地区のほ場整備事業の採択に向けた計画的な準備も地域の皆様と一体となって進めてまいります。

また、中山間地域におきましては、地域リーダーの養成や集落営農等の組織化を推進しながら、地域で取り組む集落米・地域米のブランド化や果樹農家の労働力支援体制を整え、農村地域の維持・活性化を図ってまいります。さらに、有害鳥獣捕獲従事者の確保や防護柵設置による侵入防止などの有害鳥獣対策の取組も強化してまいります。

林業の振興につきましては、市が整備する予定の施設における地元産材活用をさらに進めるとともに、このたび国から延岡市、日向市が「延岡・日向地域林業成長産業化地域創出モデル事業」の地域に指定されたことを受けて、「林業成長産業化地域剔出モデル事業」を活用し、木材の原木供給能力の増大や担い手の確保等に努めながら、川上から川下までの林業関係事業者の所得の向上による林業成長産業化を図ってまいります。また、「循環型林業促進事業」による伐採跡地への再造林の促進など、持続可能な林業、森林保全に努めてまいります。

水産業の振興につきましては、安定した漁業経営を確立するため、複合漁業等、新たな漁業への転換や水産物の販路拡大に向けた取組を支援するとともに、離島漁業再生事業を展開してまいります。また、関係機関と連携しながらアユ資源の回復と持続的な資源利用を図るための取組を進めてまいります。

6次産業化・農商工連携につきましては、取組段階に応じた専門家の派遣や商工業者とのマッチングなど支援体制の充実を図るとともに、施設整備や販売戦略等に係る支援を通して推進してまいります。

また、薬用作物等につきましては、試験栽培による適地選定を進めながら産学官福連携による生産から活用と流通に至る体制を構築してまいります。

こうした第一次産業の振興と観光誘客による経済の活性化を図るためには、「食」を切り口とした取り組みが重要であると認識しております。これまで進めてきた「東九州バスク化構想」につきまして、第1次産業との密接な連携や近隣自治体との連携など、必要な見直しを行い、できるだけ早い時期に具体化し、より効果的な展開を図ってまいりたいと考えております。

また、地域経済を活力あるものとするためには、地元中小企業の持続的な成長を支援するとともに、地域経済の新たな担い手を育成していくことが重要であります。

このため、中小企業の事業承継の支援や、さらなる創業支援、「お試し発注制度」による新製品・新サービスの支援などの施策を、延岡商工会議所やよろず支援拠点等の関係団体と連携しながら取り組んでまいりたいと考えております。

工業の振興につきましては、官民共同で取り組んでいる第3次工業振興ビジョンの着実な推進を図るとともに、メディカルタウン構想に沿った取り組みを強化するなど、必要な施策の展開に取り組んでまいります。

また、雇用対策として、学校や関係機関と連携し、キャリア教育の一層の推進を図るとともに、地元企業の魅力を発信し、若い世代の地元就職に繋げてまいります。

企業立地の推進につきましては、現在、クレアパーク延岡工業団地について、市内外を問わず問い合わせがあり、進出に意欲のある企業もあることから、こうした案件を着実に実現するとともに、新たな団地につきましても、本年度の調査結果を踏まえ、整備の方針を示してまいります。

また、情報関連企業の誘致につきましては、中心市街地への進出に対する優遇措置を拡充したところであり、県等の関係機関とも連携しながら、強力に誘致を進めてまいります。

観光につきましては、本市が誇る6S(スポーツ、自然体験、神話・歴史、里帰り、食、産業)を活かした観光振興を推進してまいります。

特に、昨年の「祖母・傾・大崩ユネスコエコパーク」の登録や城山の「続日本100名城」選定、本年のNHK大河ドラマ「西郷どん」の放映などの好機を十分に活かしてまいりたいと考えております。

次に、都市基盤の整備の面では、まず、平成16年度から整備を進めてきております岡富古川地区の土地区画整理事業の早期完成を目指し、引き続き取り組んでまいります。

道路につきましては、市民の経済活動や日常の利便性・安全性を確保するため、地域の実状に応じた計画的な道路整備や老朽化した橋梁の修繕に努めるとともに、トンネルの点検を行ってまいります。

また、九州中央自動車道の整備促進、延岡南道路の料金見直し、東九州自動車道の二車線化や安全対策などに関し、国に粘り強く働きかけてまいります。

また、住宅につきましては、市営住宅一ケ岡A団地の建替え工事の着手、ストック総合改善事業、空き家の総合的・計画的な対策などに取り組んでまいる考えであります。

水道事業につきましては、老朽配水管等の更新、三輪水源地の電気室建築主体工事等の着手など、耐震化を図るとともに、北川町瀬囗地区の水道未普及解消に向けた取組を引き続き行ってまいります。

下水道事業につきましては、引き続き、岡富・古川土地区画整理事業地内の普及促進を図るほか、地震対策として合流式下水道区域内の幹線管渠の耐震補強、浸水対策として岡富・古川土地区画整理事業地内の雨水幹線・枝線の整備、また妙田下水処理場の反応タンク散気装置や一ケ岡下水処理場の受変電装置などの施設機器の改築更新を行ってまいります。

水道料金等の検針から収納まやの一連の業務につきましては、平成30年4月1日から民間事業者に業務を委託し、安定した市民サービスの提供と経営の効率化を図ってまいります。

次に、「市民の暮らしを守るための施策について」でございます。

防災・減災対策につきましては、災害時における情報伝達体制を強化するための同報系防災行政無線の統合・デジタル化整備事業として、平成30年度は北川地区の屋外拡声子局整備を予定しております。これにより、平成24年度から継続してまいりましたこの事業が全て完了することになります。

南海トラフ巨大地震の津波避難対策につきましては、特定津波避難困難地域の解消を図るため、平成29年度に策定した上々呂地区の複合型津波避難施設整備の基本構想に基づき、本年度は、整備予定地である伊形支所周辺の地質調査などに取り組んでまいります。

また、引き続き、津波避難路の整備や緊急避難場所への避難誘導看板の設置、地震・津波災害時に孤立する可能性の高い集落への備蓄倉庫の整備等に取り組んでまいります。

地域医療につきましては、開業の促進とともに地域全体の医師を確保する新たな施策イ新型病院構想」の検討を行いますとともに、日曜、祝日、夜間の急病患者に対する初期救急医療体制など、市民が安心して生活できる地域医療体制の整備に取り組んでまいります。

高齢福祉・介護につきましては、高齢者の生きがいと健康づくりの支援並びに社会参加の促進に努めるとともに、高齢者が住み慣れた地域で安心して日常生活を営むことができるよう、地域の実情に応じて、医療、介護、介護予防、住まい及び日常生活の支援が包括的に確保される地域包括ケアシステムの整備・充実に努めてまいります。

そのため、中核的な役割を担う地域包括支援センターの機能強化を図るとともに、健康長寿のまちづくり市民運動と連動し、「健康寿命日本一」を目指すための介護予防等の推進、さらに医療機関や介護事業所等とのネットワークの構築に取り組んでまいります。

また、本市では、昨年11月に九州の自治体では初めて、国立循環器病研究センターと健康長寿に関する包括連携協定を締結しました。今後、この協定に基づき、医療・介護・健診等のデータを活用し、さらなる健康長寿施策の調査研究を推進してまいります。

障がい福祉につきましては、相談や療育、就労支援等の充実を図るとともに、医療的ヶアが必要な重症心身障がい児・者の支援体制の充実にも取り組み、障がいのある人が必要な支援を受けながら、自らの能力を最大限に発揮し、地域や家庭でいきいきと生活することのできるまちづくりに努めてまいります。

また、何でもワンストヅプ的に相談できる総合相談センターとして、「365日駆け込み寺」とでも言うような相談センターの創設に向け、検討を行ってまいりたいと考えております。

防犯対策につきましては、青パト活動や子どもの見守り活動など、地域ぐるみの安全体制づくりを進め、市民の防犯意識のより一層の啓発に努めてまいります。また、区等が設置する防犯灯への支援やLEDイ匕の推進を図ります。

消防につきましては、機動的な諸車両の配備や救急の現場到着時間の短縮等を図るため、均衡ある消防署所の適正配置を目指した「(仮称)延岡南分署建設事業」に継続して取り組むとともに、引き続き、救急救命士を計画的に養成してまいります。

また、地域における自助・共助の強化を図るため、消防団や自主防災組織等の活動支援に積極的に取り組んでまいります。

次に、「教育・子育てのまちづくりについて」でございます。

子育て支援につきましては、総合相談センター「365日駆け込み寺」の創設などで、妊娠から出産、育児まで、切れ目のない支援を行うことにより、安心して子どもを産み育てることができる環境づく。りを推進してまいります。

また、知力・体力・人間力の育成にむけて、幼稚園、保育園、児童クラブなどへの支援を強化するとともに、学校教育や社会教育などの充実を図ってまいります。

延岡には、地元企業や生産者の方々はもとより、トップアスリートや世界一の工業技術に関わる市民が多く生活するなど、豊かな人生経験と優れた能力を持った大人たちがたくさんいます。

この地域の大人たちの知恵や経験などを子どもに伝えるなどにより、「世界一の教育・子育てのまち」を目指してまいります。そのための推進組織として、 「延岡こども未来創造機構」を設立し、学校と家庭、地域、そして同機構が連携して、子育て支援や教育の思い切った充実を図ってまいりたいと考えております。

また、子どもの貧困が大きな社会問題となっていることから、関係機関や地域が連携して支援を行っていけるよう、ネットワークづくりに取り組むとともに、ひとり親家庭につきましても、自立に向けた生活支援や、九州保健福祉大学と連携した子どもたちへの学習支援などに、取り組んでまいります。

学校教育の充実につきましては、引き続き、ICT教育環境の計画的な整備に取り組むとともに、全小学校において「音読」や「百マス計算」等に継続して取り組む「陰山メソッド」の充実や、外国語科等の授業改善に向けた研修会の実施など、児童生徒の学力向上と教職員の指導力の向上及び教育環境の充実に努めてまいります。

また、市民や地域の教育力を活用した「ふるさと教育推進事業」を継続し、児童生徒がふるさと延岡を知り、愛着と誇りをもてるような教育の充実に取り組んでまいります。

次に、「すべての世代がワクワクするまちづくりについて」でございます。

まず、アスリートタウンの再構築を目指し、計画的なスポーツ施設の整備・改修等や、合宿・キャンプ等の誘致を図るほか、中心市街地の再生、強力な起業支援、男女の出会いの場づくり、子どもも大人も楽しめる施設の整備、文化・歴史を大切にするまちづぐり、城下町にふさわしいまちづくりなどに取り組んでまいります。

このうち、スポーツ施設につきましては、まず2巡目国体に向けて、本市での県営総合体育館の整備の方針が示されております。これは歓迎すべきことでありますが、一方で市民体育館のあり方も課題となっておりますので、今後、県をはじめとした関係機関や関係団体の皆様と十分に協議を行っていきたいと考えております。

また、子育て等に関する総合的な機能身持ち、新たな拠点となる「(仮称)子どもの城」の整備につきましては、一度精査を行い、今後のあり方を再度検討させていただきたいと考えております。

市民の声を大事にしながら、大人も子どもも楽しめる施設として、また、子育て支援、発達支援などを強力に進める施設として、内容の拡充を図るなど、関係機関等と協議を重ね、方向性や施設内容を定めて、一日も早く整備できるよう努めてまいります。

中心市街地につきましては、生活・交通・仕事の「3つの拠点」として、再生を図っていく必要があると考えており、先ほど述べました「新型病院構想」のまちなかでの展開やバス交通ネットワークの整備、IT企業の誘致などに取り組む考えであります。また、JR延岡駅周辺につきまして、延岡駅西側広場や高速バスロータリ一等の整備’、東側の観光バス駐車スペースの確保などを着実に進め、交通結節機能の向上を図ってまいります。

また、空き店舗等への新規出店や事業所開設の誘導、まちなか居住の推進、良質な街並み景観の形成などに取り組んでまいります。

延岡駅前複合施設の「エンクロス」につきましては、4月1日開業とされておりましたが、私の就任直後に、毎年の運営費が約1億3千5百万円程度見込まれることが判明しました。このよう廠多額の運営費がかかることは、本来、まず先に明らかにし、その後に着工の是非を判断すべきであり、類似施設のある他の都市でもそのような手順が踏まれたとのことです。

本市におきましては、まずその費用対効果の検証等を行う必要があり、それを行うことなく予算を計上することはできないと判断し、今回、条例施行日を延期する条例改正案を提出したところでございます。なお、待合室の機能や連絡通路などは供用を開始してまいりたいと考えております。

また、城山公園につきましては、石垣保全と来園者の安全・安心及び利便性の向上を図るため、樹木の剪定や伐採を進めるとともに、落石防止網設置工事や観光説明板の設置を行います。

昨年「続日本100名城」に選定され、今年4月からはスタンプラリーも開始される予定であり、今後、来園者の増加が見込まれますので、本市の歴史的シンボルとして市民が愛着と誇りを持てるような取り組みを進めてまいります。

内藤記念館の再整備につきましては、実施設計が終わりますので、今後本館の工事に着手していくこととなりますが、城下町延岡を代表するに相応しい外観にどうしていくかという点や、地元産の木材のさらなる活用などの点について、現計画の見直しを行いたいと考えております。

野口記念館につきましては、建設から63年が経過し老朽化している中、旭化成株式会社からの30億円の寄付をもとに設置した「野口遵記念館建設基金」をその資金に充て、建て替えを行います。

同社の創業100周年にあたる2022年の完成を目指して、現在有識者のご意見を聴きながら策定している基本構想、基本計画について、市民の皆様のご意見を聴くパブリックコメントを実施したうえで、平成30年度は基本設計に着手し、引き続き実施設計を行い、平成31年度までに設計を終えたいと考えております。

次に、新しく・優しく・が強い「現場主義の地域づくりについて」でございます。

まず、三北各町の特色を大切にし、フルに活かすために、各町での機動的かつ 効果的なまちづくりを実現すべく「延岡合衆国づくり」を進め、各総合支所が独 自の財源と権限を持ち、独自の基準や財源等により、まちづくりが行える仕組み を作らヽせていただきたいと考えております。また、地域担当職員の配置や移動市 役所の実施、草の根活動の支援、自然環境の保護と学びの推進のためのESDの推進なども図ってまいりたいと考えております。

このうち、「地域担当職員」の新設につきましては、例えば中学校区ごとに担当する職員を配置し、地域の声に耳を傾けるとともに、総合的な地域づくりができるように市長直結の職員とし、市内各地における地域づくりの充実を図りたいと考えており、現行の縦割り組織に対して、横串を刺しこむような仕組みを構築したいと考えております。

人権が尊重されるまちづぐりにつきましては、引き続き「延岡市人権教育・啓発推進方針」に基づいた施策の展開を図るとともに、延岡市人権啓発推進協議会や関係団体等と連携を図りながら、効果的な人権教育・啓発の実施、人権課題の解決に取り組んでまいります。

男女共同参画につきましては、男女の人権が尊重され、性別にかかわりなく。その個性と能力を十分に発揮することができる社会の実現に向け、関係機関・団体と連携して意識啓発を図るとともに、政策・方針決定過程への女性の参画促進等に取り組んでまいります。

豊かな自然やよりよい生活環境を次世代に引き継ぐための環境施策や生活衛生対策にも取り組んでまいります。また、市内の動植物の分布生息状況を把握し、希少動植物生息地の保全につなげるために、平成29年度から4か年計画で着手しま七だ自然環境モニタリング調査を引き続き実施いたします。

また、延岡地区の資源物収集運搬業務の民間委託を本年4月から実施いたします。

この民間委託実施にあわせ、組織・職員体制の見直しを行い、ごみステーショ ン管理を強化することで、区の負担軽減等を図るとともに、不法投棄防止対策を 強化するなど、さらなる廃棄物対策に取り組みます。

環境に配慮した適正なごみ処理を継続して行うとともに、川島埋立場の跡地を有効に活用するための工事にも着手いたします。

今後は、これまで以上に、市民・事業者・行政が一体となって、ごみの減量化・資源化等に取り組むことにより、更なる循環型社会の形成を推進してまいる考えであります。

なお、昨年11月1日からスタートした事業系廃棄物の分別徹底につきましては、関係方面への説明が十分でなく、ご迷惑をおかけしましたことをお詫び申し上げ ますとともに、この意義を市民の皆様にご理解いただくよう、説明責任を果たしてまいります。

次に、「情報公開と市民参加のまちづくりについて」でございます。

これまでの市政におきましては、予算編成や大規模な事業などを決定する際、その情報を事前に市民に公開し、そして、市民の意見を聴取するような仕組みづくりが不十分であったと考えております。

真に市民が主役の市政を実現するために、例えば、一定金額以上の様々な事業を計画する際に、事前にその案や後年度負担の概算額などを市民の皆様にお示しをし、ご意見を聴く仕組みを整備する必要があると考えておりますので、そのための仕組みとして、「情報公開・市民参加条例」とでもいうべき条例の制定を検討してまいりたいと考えております。

次に、「財源確保の取り組みと効率的な行政運営について」でございます。

私は、このたびの市長選挙におきまして、「歳出のゼロベースからの見直し」 「年度末予算の使い切りの廃止」「国の政策・補助金等をフル活用」「新しい地域電力会社の売上を市のまちづくりの財源に活用」「ふるさと納税日本一」の5つの財源対策を掲げさせていただきました。

このうち、歳出の見直しにつきましては、安く暮らせるまちづくりの実現の観点からも、市の事務や事業の総点検を行い、市民負担の検証や再検討に取り組む必要があると考えております。

また、歳入を増やす取り組みとしましては、例えば、過疎・離島関係の国の政策も含め、各種補助金などをフルに活用するとともに、先に申し上げました地域電力会社の設立やふるさと納税の推進などにより、財源の確保に努めてまいります。

「ふるさと納税」につきましては、これまで都城市の100分の1未満、日向市の4分の1未満にとどまっていましたが、例えば全国。の旭化成株式会社の関係者の方々をはじめ、多くの延岡ファンの方々とのご縁を活かし、また、本市の豊かな自然に育まれた海の幸、山の幸、川の幸を中心とした返礼品に磨きをかけ、財源確保と地域活性化の一石二鳥をねらうべく、強力に取り組んでまいりたいと考えております。

効率的な行政経営につきましては、行政サービスの維持向上に関する検討を重ねながら、公共施設維持管理計画の着実な推進に取り組んでまいります。 将来の財政状況をしっかりと見据え、引き続き、行財政改革の取組みを着実に推進するとともに、公共施設維持管理計画に基づきj公共施設の保有量適正化に向けて取り組んでまいります。